日本の軽規格のスポーツカー市場において、かつて特別な地位を確立していたのが「ABCトリオ」と称されるMAZDAのAZ-1、HONDAのビート、そしてSUZUKIのカプチーノの3車種です。
これらの軽スポーツカーは、それぞれが独自の魅力を持ち合わせ、ドライビングの楽しさを追求する多くのファンに支持されています。
この記事ではABCトリオの馬力、乗り心地、中古市場を比較し、各車種の特徴を深掘りしていきます。
軽自動車ながらにしてスポーツカーの楽しさを凝縮したこれらの車種の魅力に迫ります。
- AZ-1、BEAT、Cappuccinoが持つ独特のデザインと機能性
- それぞれの車種の馬力と走行性能の違い
- 乗り心地の面での各車種の特性と長所、短所
- 中古市場における各車種の価値
【A】MAZDA AZ-1の評価|特徴・乗り心地・中古市場
(出典:Mazda Motor)
- AZ-1の特徴と馬力
- AZ-1の乗り心地
- AZ-1の中古市場
- AZ-1のスペック
AZ-1の特徴と馬力
MAZDAから発売されたAZ-1は、軽自動車ながらもユニークな『ガルウィングドア』を搭載し、見た目のインパクトが強いことで知られています。
馬力は64psと軽スポーツカーの中でも力強い走りを実現しています。
そのコンパクトなボディーと力強いエンジンが相まって、軽やかで機敏なハンドリングを実感できます。
AZ-1の乗り心地
AZ-1の乗り心地は、そのスポーティさの中にも快適性が垣間見えます。
しかし、スポーツカー特有の固めのサスペンションのため、長距離を走行する際やデコボコ道では乗り心地が硬く感じられます。
都市部での短距離移動やワインディングロードでのドライビングでは、これらの特性が逆に生きて、ドライバーにとって楽しさを加速させてくれます。
AZ-1の中古市場
AZ-1は生産数が少なく希少性が高いため、中古市場ではやや価格が高め(※200万円以上)に設定されていることが多いです。
状態の良いものや、特別なエディションは特に高価になりがちですが、そのユニークなデザインと乗り味を求めるファンにとっては、価格以上の価値があると言えるでしょう。
AZ-1のスペック
項目 | 情報 |
---|---|
乗車定員 | 2名 |
ボディタイプ | 2ドアクーペ |
エンジン位置 | リアミッドシップ |
駆動方式 | MR |
エンジン | F6A型 657 cc 直3 DOHCターボ |
最高出力 | 64 PS/6,500 rpm |
最大トルク | 8.7 kgf·m/4,000 rpm |
変速機 | 5速MT |
サス前 | 前/後:ストラット |
サス後 | 前/後:ストラット |
ホイールベース | 2,235mm |
全長 | 3,295mm |
全幅 | 1,395mm |
全高 | 1,150mm |
車両重量 | 720kg |
最小回転半径 | 4.7m |
姉妹車 | スズキ・キャラ |
【B】HONDA BEATの評価|特徴・乗り心地・中古市場
(出典:Honda Motor)
- BEATの特徴と馬力
- BEATの乗り心地
- BEATの中古市場
- BEATのスペック
BEATの特徴と馬力
HONDAが生み出したBEAT(ビート)は、そのオープントップから感じ取れる爽快感と64psのパワフルな走りが魅力です。
小さな車体からは想像もつかない程の力強い加速と、風を感じながらのドライビングが楽しめます。
また、フロントエンジン・ミッドシップレイアウトを取り入れることで、バランスの取れた運転性能も実現しています。
BEATの乗り心地
BEATの乗り心地はオープントップならではの開放感あるドライブを堪能できる一方で、やはりスポーツカー特有の硬めの乗り心地があります。
市街地での運転や短距離移動ではそれほど気になりませんが、長時間のドライビングでは少し疲れを感じるかもしれません。
しかし、その振動が伝える生のドライビング感覚は多くのドライバーに喜ばれています。
BEATの中古市場
BEATは生産終了から年月が経っているにもかかわらず、ファンの間で根強い人気があり、中古市場での価格も安定しています。
状態の良い車両、特に限定モデルなどは価格が上がりがちですが、それでも手に入れる価値のある車といえるでしょう。
BEATのスペック
項目 | 詳細 |
---|---|
車両型式 | ホンダ・E-PP1 |
寸法 (全長×全幅×全高) | 3.295m × 1.395m × 1.175m |
ホイールベース | 2.280m |
トレッド (前/後) | 1.210m / 1.210m |
車両重量 | 760kg |
乗員定員 | 2名 |
エンジン搭載位置・駆動輪 | ミッドシップ・後輪 |
エンジン型式・種類 | E07A・水冷直列3気筒横置 |
燃焼室形式 | ペントルーフ形 |
弁機構 | SOHCベルト駆動 吸気2 排気2 |
総排気量 | 656cm³ |
内径×行程 | 66.0mm × 64.0mm |
圧縮比 | 10.0 |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射式(ホンダ PGM-FI) |
最大トルク | 6.1kg・m / 7,000rpm |
燃料消費率 | 17.2km/L |
クラッチ形式 | 乾式単板ダイヤフラムスプリング |
変速機形式 | 常時噛合式(後退は選択しゅう動式) |
変速比 | 1速3.428、2速2.166、3速1.576、4速1.172、5速0.941、後退4.300 |
減速比 | 5.714 |
かじ取り形式 | ラック・ピニオン式 |
タイヤ (前/後) | 155/65R13 73H / 165/60R14 74H |
主ブレーキの種類・形式 (前・後) | 油圧式ディスク |
懸架方式 (前・後) | マクファーソン式 |
スタビライザー形式 | トーション・バー式(前) |
【C】SUZUKI Cappuccinoの評価|特徴・乗り心地・中古市場
(出典:Suzuki Motor)
- Cappuccinoの特徴と馬力
- Cappuccinoの乗り心地
- Cappuccinoの中古市場
- Cappuccinoのスペック
Cappuccinoの特徴と馬力
SUZUKIから登場したCappuccino(カプチーノ)は、フロントエンジン・リアドライブレイアウトを採用し、64psの出力で軽やかな走りを実現しています。
特にその軽量なボディとバランスの取れた重量配分が、素晴らしいコーナリング性能を発揮します。
また、オープントップを楽しめることもCappuccinoの大きな魅力です。
Cappuccinoの乗り心地
Cappuccinoはその軽量なボディのおかげで、非常にレスポンシブで楽しいドライビング感を提供します。
しかし、サスペンションが硬く設定されているため、不整地では乗り心地が硬く感じられることがあります。
オープンカーとしての楽しみ方に加え、スポーツ走行も楽しめるのがCappuccinoの特徴のひとつですが、長時間運転する際には少し疲れを感じるかもしれません。
Cappuccinoの中古市場
Cappuccinoはその魅力的な走行性能とオープントップ体験をバランスよく持ち合わせているため、多くの人々から求められています。
その結果、中古市場でも比較的安定した価格で取引されています。
一部ユニークな改造を施されたモデルや、特に良好な状態を保っている車両は、価格が高めに設定される傾向にありますが、性能の高さと楽しさを考えれば納得の範囲内でしょう。
Cappuccinoのスペック
項目 | 詳細 |
---|---|
機種情報 | 車両型式: E-EA11R |
グレード | ― |
機種記号 | CAXF |
寸法・重量 | ・全長: 3,295mm ・全幅: 1,395mm ・全高: 1,185mm ・ホイールベース: 2,060mm ・車両重量: 700kg |
エンジン | ・エンジン型式: F6A ・エンジン種類: 水冷 4サイクル 直列 3気筒 縦置き DOHC 12バルブ インタークーラーターボ ・総排気量: 657cc ・最高出力 ネット: 64PS/6,500rpm |
価格 | 1,458,000円(消費税を含まず)より |
まとめ:ABCトリオの3車種の特徴を比較
ポイントをまとめます。
- MAZDAのAZ-1はガルウィングドアが特徴で見た目にインパクトがある
- AZ-1の馬力は64psで軽スポーツカーの中でも力強い走りを実現
- AZ-1の乗り心地はスポーティだが長距離では硬く感じることがある
- AZ-1の中古価格は生産数の少なさから高めに設定されている
- HONDAのBEATはオープントップからの爽快感とパワフルな走りが魅力
- BEATはフロントエンジン・ミッドシップレイアウトでバランスの取れた運転性能を提供
- BEATの乗り心地はオープントップ特有の開放感がありつつ硬め
- BEATの中古価格は根強い人気により安定している
- SUZUKIのCappuccinoはフロントエンジン・リアドライブレイアウトで軽やかな走りを実現
- Cappuccinoはオープントップ楽しみとスポーツ走行をバランスよく持ち合わせている